2012年12月23日日曜日

大地の芸術祭2012⑪ かたくりの宿

次に向かったのは新潟県と長野県の県境ちかくにある、

秋山郷めざしました。

で、道中見えた

あの巨大な白い長い線はなんなんでしょう?

分かりますか?たむさん。

とちゅうダムらしき建造物発見、

発電所でしょうか?

日本の白いのはこれに関係したものでしょうか。


山道走ってると

斜面にまっすぐコンクリートの網タイツ的なのがあったのですが、

なんの意味があるのでしょうか?

分かりますか、たむさん?





それで、




はい



秋山郷結東温泉 かたくりの宿無事ついたのですが、


驚きました。

なんてところに作品あるんだと、




最初、越後湯沢でレンタカーを借りるさいに、お店の人から
「道幅が狭いですから注意してくださいね。」と言われたのですが、

ここはもうそれは私の想像をはるかに超える細さでした。





とくにこの頂上までの道のりは、運転未熟者な私には車で綱渡りしているぐらいの
末恐ろしい細さで

向かいから車きたらあの道でバックなんて私にはとうてい不可能なので
アーバンチャンピオン的(ファミコン)に押し合うか、


ミサイル撃って爆破して進むぐらいしか方法がないので、


もう車来るなくるなよ!と祈りながら斜面うねうね進みました。



そう


大地の芸術祭の里最南端の作品


観るためにがんばりました。





作品番号M014 Melting Wall

制作年2003

本間 純


水の壁です、

これが見たかった。


水源が山の中腹にあり、高低差による水圧を利用して汲み上げているそうです。

この場所の特筆をいかした、

目に涼しい清涼感ある作品です。

三レーンしかない小さなプール

でも

できた時は子供たち

それは喜んだんだろうなと。


それで、私は宿泊客ではないのですが、

かたくりの宿入り口で

物ほしそうな顔をして

じーと佇んでいたら

みかねたのか

大地の芸術祭のサポーターのこへび隊の方が

建物内を案内してくださいました。


廃校となった旧中津峡小学校をリノベーション、

冬季は営業しないそうです。

なんでもここは


雪が降ると

完全に下界と遮断されるそうで、


なんと明治25年に

あまりの極僻地のため

昭和11年に解除されるまでの

43年間もの期間、


義務教育免除地域に指定されてました。



義務教育免除地に指定されるということは、
集落の人々にとって、死にもひとしい宣告であり、現代の飢饉ともいわれました。

 その43年間は、義務教育完全実施を求め続けながら、私設小学校設置で寺子屋式の教育が続けられました。地域の有識者を先生として立て、学校教育関係の費用(設備・消耗品)は集落が負担し、教師の給与や食事や衣服も賄っていました。

しかし、「読み・書き・そろばん」といった実用教育だけで、
人間形成の教育ではありませんでした。

 また、集落の負担は大きく、卒業証書がなかったため、
就職や中学入学に不利な点もあったようです。

集落では村の会議や村の議員を個別訪問して教育の必要性を説明し、署名や嘆願書を提出し、県の視察も仰ぎました。そして、昭和11年、ようやく義務教育免除の地解除を獲得しました。







秋山郷一帯は土の中に石が多く、水田には向かない土地だったため、

この地域の開墾は

明治時代以降に始まったといわれています。


飢餓対策のため、人びとは必死の思いで水田を開いたそうです。




山間地の水田は、山の斜面に沿って段々に広がる「棚田」が有名ですが、

秋山郷の奥の結東地区に広がるのは、

石垣で組まれた珍しい棚田で、




何段にも組まれた城壁のようなその景色は大変美しく、




山から水路を引いて水を確保し、稲作を始めたこの

「結東の石垣田」は、

全国的にも貴重な存在なのだそうです。



冬季のあいだは

地上と結ぶ手段

ヘリコプターしかなくなるとか凄まじいですね、



でも子供たち笑顔だ。

結ぶに東と書いて結東(けっとう)、結東集落。



メルティング・ウオール見たくてここまできましたが、


それにより、

自分の今まで知らなかった過去の現実

歴史分かってよかったです。








宿泊客の食堂。



体育館。

雪対策でとても頑丈に作られた屋根。

宿泊した子供が退屈しないよう遊技がおいてました。

昭和40年(1965年)に初めて学校にピアノが置かれたそうです。


なんか有名なつり橋があるそうなので、

じゃまくら石公園の前の駐車場に車をとめて

歩いて行ってみました。


見倉橋(みくらはし)

この家の先、

下ります。



この家のわきには

ため池があり水ドバドバ流れてました。


林の中を4~5分

下っていると、

吊り橋がありました。




映画「ゆれる」のロケ地となり、

この橋が登場人物のゆれる心理状態を象徴的に表したそうです。

対岸の見倉集落から

この橋を渡って一時間かけて

学校に子供たちが登校したそうです。



で、私橋の動画撮ってました。

今、思えば普通に撮っとけばよかった。





大地の芸術祭というイベント

メルティング・ウォールという作品がここにあることで


過去に義務教育免除になるくらいの


閉ざされた秘境に


現在、たくさんの人たちが訪れるようになるなんて


とても興味深い、


そして実におもしろいです。










2 件のコメント:

  1. ご指名を頂きました!

    2本の白い線は、
    電気系のケーブルだと聞いたことがあります。

    斜面の網タイツ的なものは
    落石や土砂崩れ防止だとずっと思っておりました。

    正解は・・何なんでしょうね???

    地元民、役立たずですみませんっ。


    そして、私は今回のこのブログで
    秋山郷の歴史を初めて知りました。

    『義務教育免除地』という言葉も初めて聞きました。
    とても寂しい響きの言葉ですね。
    指定されたとき、この地域の大人たちは
    どんなに悲しかっただろう・・

    学校が出来て、プールが出来て、
    どんなにか喜んだことでしょう。

    この学校が閉校になったとき、
    地域の人は寂しかったと思います。

    でもこうやって宿泊施設に生まれかわって
    学校から明るい声が聞こえてきて・・
    今はまた、喜んでいるでしょうね。


    数年前の豪雪のとき、秋山郷は
    あまりの積雪に道路の除雪が間に合わず
    数日間、孤立してしまいました。

    そんな事を思い出しました。


    秋山郷の過去を書いてくれて
    ありがとうございました。

    知ることが出来てよかった。





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  2. ご回答ありがとうございます。

    あの白いのはアンビリカルケーブだったのですね。

    あと、そうですよね、あの巨大な網目は、
    冷静に考えたら斜面崩れるの防止策以外考えられないですよね。


    私はあの時、突然現れたとてつもない巨大なコンクリートの建造物に衝撃を受けて、

    なんだ、これは!(岡本太郎)

    と、もしやこれも大地の芸術祭の作品なのでは?と一瞬思ってしまいました。


    それで思い出したのは、

    NHKでマリーナの恋の渡辺満里奈が司会の「地球イチバン」という番組で、
    中国で黄砂の凄いところの山が乾いているので雨がふると

    ぐずぐずに崩れちゃうので、下の畑が全滅してしまい、農民が困っていて、

    でも、お金がない(織田裕二)から

    そういうコンクリとかの対策とれないところ、

    あるお爺さんがコケを斜面に貼り付けさせる方法を発見しました。

    コケの根が地面を固めて土砂崩れを防いでくれる、
    お安く事件を解決したお話の回を思い出しました。



    あと今回のブログで大事なことを書き忘れたのですが、

    こへび隊の方から聞いたのですが、
    かたくりの宿にあった写真にはあんなに子供たちたくさんいたのに、

    現在では一人だけなんだそうです。
    毎日バスでふもとの学校に通っているそうです。


    私はなぜか昔から現代美術が好きなんですけど、それにより、
    この場所にいざなわれて、なかなか知りうることの出来ない、


    その土地の背負ってきた運命、でもそれに負けないで
    力強く生きるんだという人の心を学びました。



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